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法学部ニュース : 教員コラムを更新しました!
投稿日時: 2012-11-23 9:10:00
法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として
折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!


2012-11-23 掲載 
 vol.7   『法学部 “ター先生” のニュースがわからん! 日中領土問題』 
     執筆者:法学部 教授 高瀬 幹雄 (国際関係論、国際機構論など)
                                     
 



















ター先生:「日中関係が友好条約締結以来最悪になっているようじゃの!」

A:「尖閣諸島を巡って、中国は昔から自国の領土だったのをドサクサに紛れて奪われたのだと言っている。日本は国土じゃなく『固有の領土』というへんな表現を使い、さらに、それを国有化するということをやって、しかも、そもそも領土問題は存在しないって主張している。よくわかんないな〜。」

ター先生:「世界では領土問題は、珍しくはないんじゃ。今も多くの地域で争われているが、日中では何がポイントかな?」

B:「尖閣諸島の所属は、歴史的にも諸説があるけど、直近では、1951年日本が独立を回復したサンフランシスコ講和条約で定められたとされ、その解釈をめぐっての争いだと新聞に載ってたよ。」

C:「そうそう、実は、尖閣諸島のうち2つの島は、アメリカ軍の訓練場にもなっていて、その領空も含めて日本には主権はなく、日米安全保障条約が絡む地域で日本独自で交渉したり、解決できない要素があるとも聞いたよ。」

A:「えーっ。知らなかったよ。」

ター先生:「沖縄の米軍基地問題にも通じそうじゃのー。そもそも領土問題に対しては、3つの選択肢があるとされておる。1関係国の交渉、2法的解決、3棚上げ、じゃ。」

B:「1の外交交渉を行うには、しっかりした政権が必要じゃない? 何が国益かきちんと説明し、国内の反対意見を説得して相手国と堂々と話し合える強く安定した指導者がいなくっちゃ。」

C:「日本は、政局って言うの??政権を巡る争いに終始して、首相が毎年のようにやめているし、中国も胡錦濤体制から政権交代の端境で不透明になっているよ。」

B:「2の法的解決って、国際法や国際司法裁判所のこと?領土を扱った条約の有効性とか、無主地の土地を先に支配した国のものになるという『先占の権利』といった原則を議論したりするんだろうけど…。」

C:「歴史的に無主地って、なかなか決められないんじゃないの? それにサンフランシスコ講和条約に今の中国政府は関係してないし、国家主権のせいで、国際司法裁判に関しても、裁判に同意せず、同じ土俵に立たないと審理もされないって聞いたけど、、、。」

A:「最後の棚上げってのは?」

ター先生:「お互いいたずらに過激になって、拙速から衝突する危険を避け、国際環境や国内の状況の変化も含めて、問題を見直すことで将来に期待することじゃな。」
「それにしても、『戦後日本の総決算』ということをいった政治家がいたが、総決算かどうかは別としても、この問題の根っこには、対中国だけでなく、アメリカとの関係を含めて自律した行動が日本にできるか、が問われていると言えそうじゃ。」


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