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法学部ニュース : 教員コラムを更新しました!
投稿日時: 2013-1-15 10:30:00
法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として
折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!


2013-1-15 掲載 
 vol.12   『高齢社会と消費税について』 
    執筆者:法学部 教授 大原利夫 (社会保障法、社会保障の法と政策など)
                                     


















 
 日本は現在、高齢化が進んでいます。全人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は23%(2010年)を超えており、世界で最も高齢化した社会となっています。

 そのため医療、年金、福祉などの社会保障の費用が膨らみ、2010年度では、年間103兆円が使われました。細かく説明しますと、「医療」が32兆3,312億円(31.2%)、「年金」が52兆4,184億円(50.7%)、「福祉その他」が18兆7,384億円(18.1%)となっています。前年度から3兆6千億円(3.6%)増加したことになります。このような社会保障の費用の増大は国の財政を圧迫し、他の要因とも重なって、2012年度末には国と地方の借金は940兆円に達する見込みです。そこで、国は社会保障と税の一体改革として、消費税率を10%にまで上げることを決めました。
 
 実は、社会保障は主に社会保険料によって賄われています。つまり、社会保障の財源として最も大きな割合を占めているのが社会保険料(51%)であり、次いで税金(36%)となっているのです。そうであるならば、税金ではなく、社会保険料を上げるべきであるといえそうですが、なぜ、税金を上げたのでしょうか。しかも、所得税ではなく、消費税を上げたのはどうしてなのでしょうか。
 
 その理由は、すでに年金保険料などの社会保険料の値上げがすでに決まっているということもありますが、ズバリ言えば、「現在働いている現役世代が高齢社会を支える構造」を変えて、「社会全体で高齢社会を支える構造」にしようとしているからです。すなわち、社会保険料や所得税は、基本的には賃金などの所得に対して課されます。したがって、引退して働いていない高齢者は、社会保険料や所得税をあまり負担していません。社会保険料や所得税を上げるということは、現役世代に負担増を求めることになりますが、もはや現役世代の負担も限界に近づきつつあります。そこで、働いていない高齢者も負担することになる消費税を上げることが考えられたというわけです。  
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