受験生の方へ

2012年3月28日(水曜日)

省エネ家電の節電効果
カテゴリー: - hougaku @ 08時30分35秒

 

<籠谷 和弘 先生(担当科目:情報科学、数的処理、社会集団論ほか)> 

  2011年に発生した福島第一原発事故以降,節電を呼びかける声が大きくなりました。そして節電策の一つとして,「省エネ家電」への切り替えが提案されています。 省エネ家電については,個々の家庭レベルでは,「電気代が○○円節約できる」といった情報が広告で出ています。これが集積すると,日本全体でどの程度の省エネ効果になるでしょうか。
  この問題でいきなり引っかかるのは,省エネ家電に「切り替わった」数がわからないことです。たとえばエアコンが一台売れたとき,その一台は古いエアコンを買い換えたのか,それともエアコンを追加したのか,どちらかはわかりません。前者では電力消費量は減るでしょうが,後者では増えます。
 このような困難はあるのですが,省エネ家電への買い換え効果について一つの試算があります。 環境省は2009年5月〜2011年3月に実施した家電エコポイント制度によって,二酸化炭素換算で年間270万トンの温室効果ガス削減効果があったと試算しています。
(経済産業省「家電エコポイント制度の政策効果等について」http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110614002/20110614002-2.pdf)。
省エネ家電(エアコン・テレビ・冷蔵庫)によって電力消費量を抑えられるためですが,これは年間約49億kWhの電力量減少にあたります。日本の発電電力量は2009年度で約9,600億kWhです。
(参照:
電気事業連合会「でんきの情報広場」http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/index.html)
 49億kWhはこの数字の約0.5%にあたります。 
 この数字を,皆さんはどう評価するでしょうか。

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2012年3月23日(金曜日)

「子どもの権利条約」に個人通報制度が新設 
カテゴリー: - hougaku @ 17時49分30秒

 

<武藤 達夫 先生(担当科目:国際法、国際法総論、国際人権法、法学の基礎ほか)> 

 昨年末の国連総会(2011年12月)で、「子どもの権利条約」に個人通報制度を新設する議定書が採択されました。採択当初、このニュースが国内の主要メディアで大々的に取り上げられることはありませんでしたが、今年に入ってから一部の新聞にコラムが組まれるなど、注目されています。子どもの権利条約における「子ども(児童)」とは18歳未満の者をいいますから、高校生の皆さんも、この条約の対象ですね。

 子どもの権利条約は、国際人権規約や女性差別撤廃条約などとともに、いわゆる国連人権条約と呼ばれるものの1つです。今回の採択によって、ほぼすべての国連人権条約に個人通報制度が備わりました。この個人通報制度というのは、人権条約に定められた権利が侵害された場合、それを条約付属の委員会に通報し、条約違反の有無などを審査してもらうもので、人権を実現するための大変すぐれた制度です。

 日本も多くの人権条約を批准してきましたが、個人通報制度は一切受け入れていません。つまり、日本は国際社会に対して人権条約を守ることは約束したものの、その条約に対する違反が疑われる場合でも、国際的な審査を受けることは拒んでいます。国内での人権侵害に対して、個人が国際的救済を求める道が封じられてきた、といってもよいでしょう。日本では、個人通報制度が司法の独立を脅かすのではないか、といった議論もありますが、むしろ個人通報による国際的審査は国内の司法制度を補完する関係にあるものです。

 2009年の政権交代によって、日本でも個人通報制度の受け入れが実現するのではないか、という希望が持たれましたが、今のところ進展がありません。日本は比較的人権の守られている国という印象を持つ人も多いかもしれませんが、国際的に見れば多くの問題を抱えています。私たち市民が問題を認識するためにも、個人通報制度の受け入れを政府に対して求めていくことが大切です。


武藤 達夫 先生のプロフィールはこちら

 

 


「子どもの権利条約」に個人通報制度が新設 
カテゴリー: - hougaku @ 17時40分38秒

 
http://hougaku.kanto-gakuin.ac.jp/~hougakux/modules/teacher5/index.php?id=8
 昨年末の国連総会(2011年12月)で、「子どもの権利条約」に個人通報制度を新設する議定書が採択されました。採択当初、このニュースが国内の主要メディアで大々的に取り上げられることはありませんでしたが、今年に入ってから一部の新聞にコラムが組まれるなど、注目されています。子どもの権利条約における「子ども(児童)」とは18歳未満の者をいいますから、高校生の皆さんも、この条約の対象ですね。

 子どもの権利条約は、国際人権規約や女性差別撤廃条約などとともに、いわゆる国連人権条約と呼ばれるものの1つです。今回の採択によって、ほぼすべての国連人権条約に個人通報制度が備わりました。この個人通報制度というのは、人権条約に定められた権利が侵害された場合、それを条約付属の委員会に通報し、条約違反の有無などを審査してもらうもので、人権を実現するための大変すぐれた制度です。

 日本も多くの人権条約を批准してきましたが、個人通報制度は一切受け入れていません。つまり、日本は国際社会に対して人権条約を守ることは約束したものの、その条約に対する違反が疑われる場合でも、国際的な審査を受けることは拒んでいます。国内での人権侵害に対して、個人が国際的救済を求める道が封じられてきた、といってもよいでしょう。日本では、個人通報制度が司法の独立を脅かすのではないか、といった議論もありますが、むしろ個人通報による国際的審査は国内の司法制度を補完する関係にあるものです。

 2009年の政権交代によって、日本でも個人通報制度の受け入れが実現するのではないか、という希望が持たれましたが、今のところ進展がありません。日本は比較的人権の守られている国という印象を持つ人も多いかもしれませんが、国際的に見れば多くの問題を抱えています。私たち市民が問題を認識するためにも、個人通報制度の受け入れを政府に対して求めていくことが大切です。

 


2012年3月14日(水曜日)

2つの「情報法制」
カテゴリー: - hougaku @ 08時29分00秒

 

<丸山重威 先生(担当科目:マスコミュニケーション論、情報と法政策、「公共と法」特論ほか)>

  「民主主義」とは国民が国政の情報を正確に知り、主権者として行動することで実現する。
 「情報公開」が叫ばれながら、原発事故で明らかになったように、政府の情報も東電の情報も公開は不十分、「日米密約」は、日本の国としての方向自体を誤らせている。 そんな状況の中に、政府が巧妙に仕掛けている法制度がある。「社会保障と税の一体改革」という言葉の陰で閣議決定、国会に提出された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(共通番号制度)案と、今国会提出を予定し、本案作成中と伝えられる「秘密保全法制」だ。 共通番号制とは、脱税防止や社会保障給付の徹底のために、国民全部にナンバーをつけ、所得、資産、家族関係、健康保険といった個人の情報を、行政が一律管理しようというもの。政府は「マイナンバー」などと名付けているが、巧妙な国民管理システムだ。 
 秘密保全法制の方は、々颪琉汰粥↓外交、8共の安全及び秩序の維持−の3分野を対象として「特別秘密」を指定、これを漏らした場合の独立教唆、扇動、共謀や、秘密探知行為(「特定取得行為」)を厳罰にしようとする。特別秘密を扱う者の管理を厳しくして、家族や友人、知人まで調査対象にしようとする。「現代の治安維持法」(?)だ。 政府は、都合の悪い情報を「秘密」といって隠し、一方で国民のプライバシーは裸にして握って管理しようとする。日弁連などが反対を表明しているが、政府の宣伝は巧妙なだけに、ごまかされないようにしなければならない。 
  なお日弁連の見解は次を参照。

秘密保全法  http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120111.html
共通番号制
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120215_6.html
   
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2012年3月12日(月曜日)

死刑と無期の基準
カテゴリー: - hougaku @ 08時29分00秒

  <宮本 弘典 先生(担当科目:刑法総論、社会的安全の法政策ほか)>

  死刑と無期の基準 山口光市母子殺人事件で、犯行当時少年(18歳1ヶ月)だった被告人の上告が棄却され、死刑判決が確定することになりました。
 少年法では犯行時18歳未満であった少年には死刑を科さないことにしており、この事件でも、わずか1ヵ月ほど前に18歳を迎えたばかりの少年に対し、死刑判決が下されるかどうかが注目されました。判決の経緯も特異でしたが、ここではそれに立ち入らず、死刑と無期を明確に区分しうる基準があるのかどうかを考えてみましょう。 
 従来、裁判所が死刑適用基準としている判例は、やはり犯行当時少年(19歳)であった「永山事件」の最高裁判決です。動機の悪質性、計画の有無、被害者の数、犯行の残忍性・執拗性、被害者感情、犯人の年齢、犯行後の状況(反省の有無や更正の可能性)などを総合して死刑を適用するかどうかを判断するというものです。
 光市母子殺人事件では、犯人の年齢が若く、また更正の可能性があるとして、地裁と高裁で無期懲役とされましたが、最高裁が「犯人の年齢や更正の可能性」だけでは死刑を回避する理由にはならないとして、高裁に審理のやり直しを命じ(「破棄差戻」といいます)、差戻後の高裁で死刑判決が下され、それに対する被告人の上告が棄却されたわけです。
 問題は、上述の死刑適用基準をどのように「総合評価」すればよいのかということでしょう。すべての基準を充たさなければ死刑を適用できないというなら明確でしょうが、今回の判決では、仮に「年齢が若く更正の可能性も否定できない」場合でも、死刑を適用するということが明らかにされました。それぞれの基準を10点満点で採点し、合計何点以上なら死刑で、それ以外なら無期ということでもないでしょう(そもそもその採点自体に明確な基準があるでしょうか?)。
 また、上述の基準は死刑の選択に特有の基準ともいえません。動機の悪質性や被害の程度、反抗の危険性や被害者の感情、反省の有無や更正可能性は、例えば強盗や窃盗の罪に対する刑期の算定の基準でもあります。要するに、死刑と無期を明確に分かつ基準などないし、仮にあったとして、それを人間である裁判官が精確無比に適用しうるかどうかも不明だということです。 無期刑であれ有期刑であれ、自由刑は時間の長さの算定です。
 しかし、命の重さは時間では測れません(生まれたばかりの赤ん坊も、不治の病に犯されて死期が切迫している人も、健康な人も何がしかの障害を負っている人も、その命の重さは同じです)。つまり、死刑判断は「質」に関するものであり、無期の判断は「量」に関するものということです。
 果たして上述の「永山判決」の基準によって、死刑と無期を明確に区分できるでしょうか?
   
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2012年2月6日(月曜日)

会社法改正試案から消費税増税について思うこと
カテゴリー: - hougaku @ 10時15分27秒

  <三原 園子 先生(担当科目:会社法、商法ほか)>

  昨年12月、会社法改正試案が公表された。2005年の「会社法」制定時ほどの大きな改正ではなく、現行の社外取締役の要件の厳格化や二重代表訴訟制度の創設などの修正条項が盛り込まれている。外国法の継受は、いざ精査してみるとその実態といささか隔たりがあることが多い。 平成元年に導入された「消費税」もやはり欧米の制度に倣ったものである。現在、その消費税率を2015年には10%に引き上げる案が急浮上し、将来17%にまで上昇する可能性も示唆されている。しかし、個人「所得税」の課税最低限度について見ると、日本は、先進諸国の中で一番低く、国民は厳しく税金をとられているのが現状である。財源確保のために消費税増税やむなしとするならば、所得税・法人税を含む税体系全体を見直し、国民の健康で文化的な最低限度の生活水準を保障すべきである。北欧の一部の国に倣って個人所得税の非課税枠を大幅に広げる一方、シャウプ博士が唱えたように累進税率の傾斜を今よりも急にして最高税率を現行の40%台から過去の60%〜70%台に戻すのも一法であろう。消費税についても、日用品や加工前の生の食料品の税率を下げるべきである。

   
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2012年1月12日(木曜日)

「バラマキの極み」
カテゴリー: - hougaku @ 14時23分34秒

  <中川 政直 先生(担当科目:経済法、国際取引法ほか)>

  民主等の厚生労働会議は、12月14日年収960万円以上で子ども手当の支給対象から外れる世帯に子供一人当たり月額5千円を一律に支給する案を決めた。この決定は、バラマキの極みである。税金は有意義に、効果的に使って欲しい。年収960万円以上の世帯に子供一人当たり5千円支給することは、有意義かつ効果的な税金の使用ではない。単なるバラマキである。国民から集めた税金は、真に必要な事項に集中的に使ってこそ、生きてくる。多数の国民から集めた税金を、また、薄く、多数の国民にバラマクのでは、徴税コストの分だけマイナスである。また、年収960万円以上の世帯は、子供一人当たり月額5千円の支給を必要としているであろうか。この点にも疑問が湧く。

   
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2012年1月11日(水曜日)

2011 法学会主催講演会 12月
カテゴリー: - hougaku @ 09時25分28秒

12月2日(金)2011年度 法学会主催講演会が、小田原キャンパス 7号館ハリントンホールにて開催されました。

日  時:12月2日(金) 16:20〜17:50
場  所:小田原キャンパス7号館 4F ハリントンホール
講演者:李 相允(イ サンユン) 氏(韓国法制研究員 研究委員・法学博士)
テーマ:「韓国の大統領制−日本の議院内閣制と比較して」

【講演内容】

「韓国の大統領制−日本の議院内閣制と比較して」  
                            法学部教授 吉田 仁美

韓国は、戦後、長期の軍事政権による支配から脱し、民主化がすすめられてきた。その間、9度の憲法改正を繰り返し、一度、議院内閣制がとられた時期を除き、一貫して大統領制がとられてきた。現行の大統領制の最大の問題は、大統領に大きな権限が集中することである。分権のため、制度上は日本の首相に当たる国務総理の地位を設けたが、実際には、国務総理は大統領の補佐的な役割をはたし、むしろ大統領権限を強化している。どのように大統領権限をおさえるかが課題である。一方、大統領は直接選挙で選ばれるが、民主的正当性を高めるため、当選に必要な得票率の定めがある。大統領の任期は、議院内閣制と違い5年に固定され、独裁をおそれて単任制だが、4年2期にすべきだとの議論もある。大統領制は、日本の議院内閣制が日本の歴史・風土などに根付いたものであるのと同じように、韓国の歴史・風土に根付いたものである。単純に比較して、利点、欠点をいうことはできない。

【感想抜粋】
・韓国の大統領は国民が直接投票するってことだったが、日本も、総理を国民からの投票にしたら、もっとみんなが興味をもつと思う。確かに5年の任期を途中で辞めることができないのは、今の日本の総理をみていると大変だと思うがころころかわる総理よりいいかなと思った。
 
・日本の制度である議院内閣制とは違っていて、興味深かった。
大統領制も制限をしっかりしないと独裁政権につながってしまう危険があることがわかった。

・日本と韓国は近いのに制度が結構違ったので驚いた。大統領がたくさんの権限を持っていたので、それは、独裁政治になってしまう恐れがあるのではないかと思った。投票率が低いのは日本と同じで選挙に関心がないのだなと思った。

 


2011年12月5日(月曜日)

1994年度卒業生 岡村 要(おかむら かなめ)さん (第1期卒業生)
カテゴリー: - hougaku @ 17時12分47秒

1994年度卒業生 岡村 要(おかむら かなめ)さん (第1期卒業生)

 ○まずは自己紹介からお願いします―――

  1994年度卒業(法学部一期生)の岡村要です。在学中はラグビー部に所属していました。


○具体的なお仕事の内容は何ですか?―――

 現在NECに勤め、現在NECグリーンロケッツ(ラグビー部)のヘッドコーチをしており、チームの“勝ち(Victory)”と“価値(Value)”を高めることを仕事としています。

○その職業を目指した経緯をお聞かせください。―――
  少し特殊な仕事なので、質問と完全リンクするかわかりませんが。関東学院ラグビー部に関わる全ての方のおかげで一芸に秀ださせていただきました。高校生のときに関東学院ラグビー部を選んだのも、関東学院ラグビー部がその当時はこれからのチームであり、入部して強豪といわれるチームを倒して日本一を目指したいと考え選んだのと同じで、就職も当時NECラグビー部がこれからのチームであって、入社して強豪を倒し日本一を奪いたいと考え選びました。

○就職して良かったこと、大変だったことをお聞かせください。―――
  良かったことはもちろん仲間と苦しみながら励ましながら犠牲を伴いながら頑張り、4度ラグビー日本一を奪えたことです。大変だったことは書ききれないぐらいあります(笑) この世界、きついことの方がほとんどです。でもそれは当たり前だと思っています。 大きなものを得たいなら大きな犠牲が必要だということを知っているからです。

○今後の目標をお聞かせください。―――
  もちろん日本一奪還ですNECラグビー部には46名の選手が居て皆レギュラーを目指しています。しかし試合に出れるのは22名。半分以上がジャージを着ることが出来ず、ヘッドコーチとして全員をハッピーにすることは不可能です。 しかし日本一になることだけが選手に限らずNECラグビー部に関わる全ての人をハッピーにできる唯一の手段だと考え、責任と覚悟をもって戦っています。

○在学中、お世話になった方などはいますか?。―――
  足立昌勝大先生(笑)   
 足立先生はラグビー部を応援していただいていて、その中でもなぜか私に大きな期待を掛けて下さいました。卒業直後はもちろん、多くの時間が過ぎた今でも関東学院の関係者に会うと「足立先生が応援してたぞ」とか「足立先生が『要くんはビッグになる』と言ってたぞ」と聞くことがあります。在学当時や卒業直後も「なぜ足立先生はこんな普通な俺に温かく大きな期待をもってくれるのだろう」と不思議に思っていたと同時に、足立先生の期待に応えたく、ビッグになってやろうと更に頑張ったことを覚えています。今でも私の頑張るモチベーションの一つになっていますし、このように人を心から動かせる人間になりたいと男として尊敬しています。足立先生、お元気でしょうか。

 ○最後に、在校生にメッセージをお願いします。―――
  あるとき子供たちにラグビーを教えているとこんな質問をされました。 『なぜそこまでして勝たなきゃいけないの?』  私はコーチをやっていて考えさせられました。 十数万人ラグビー人口がいて優勝した極一部の人間だけが正解なのか。そしてその答えは私が優勝を経験してわかりました。 優勝は刹那的な産物であって、その優勝を勝ち得るために必死になって血や涙を流し励ましあい乗り越えてきた努力と仲間は一生ものでした。 要は何事に対しても必死になって戦った努力や仲間は一生の自分の財産や資産になり、誰もが自分次第で勝者になれるということです。 その大きな動機として勝つことが全てと思うことは手段として必要なのだと思います。 人生において優勝はただの副賞です。何に対しても最後に必要になるのは“人間力”です。戦いに必要なものは“準備、信念、献身、覚悟” テストで計りきれないものが大事なのだと思います。

◇◆◇ 足立昌勝先生より岡村要さんへのメッセージをいただきました!◇◆◇
 
いつかは、関東学院大学ラグビー部の監督を!
                                 
足立 昌勝
 岡村君 お久しぶりです。今シーズンのNECは大変好調ですね。これからも頑張って、パナソニックと優勝を争ってください。
 思い起こせば、あなた達ラグビー部員の本当の活躍の場はキャンパスではなく、ラグビー場なのですね。あなたが4年のときでした。秩父宮ラグビー場に行き、あなた達を応援していました。そこで戦う顔は、キャンパスのにこやかなものとは全く異なり、戦う男の顔がありました。
 それ以来、私はラグビー部員の味方になり、自称「関東学院大学ラグビー部小田原校地担当副部長」として、数多くの学生達と接してきました。その中には今でもトップリーグをはじめ、下位のリーグで活躍している人たちが沢山います。
 法学部の星。岡村君。これからも頑張ってください。


2011年11月10日(木曜日)

「想定外」ではなく
カテゴリー: - hougaku @ 08時13分52秒

  <浅野 俊哉 先生(担当科目:哲学、倫理学、共生社会論ほか)>

  11月といえば1755年の今月初め、ヨーロッパ人が経験したことのない規模の大地震と大津波がポルトガルを襲いました。首都リスボンは壊滅状態。死者は5万とも6万とも言われる大惨事だったと言われています。
このように私たちの常識を覆すような出来事は、今年に限っても事欠きません。日本では、3月に東日本に起こった大地震とそれに伴う深刻な原発事故がありました。素粒子のニュートリノが光速より速く進むという実験結果が出たのも記憶に新しいところです。政治の面でも、中東で民主化の動きが広がり、盤石の安定性を持つとされてきた政権がいくつも打倒されました。また、タイでは洪水で一国の首都が水没する事態にもなっています。
いずれも、私たちの日常的な意識を揺るがすには十分な事態と言えます。  
 ところで、一見バラバラなこれらの現象に共通することは何でしょうか。
 
  ある哲学者は、これを「ものの優位」ということで説明するかもしれません。私たちは、自然界にある「もの」の世界を知性によって認識しながら生きていますが、私たちの狭い認識の枠を超えるこの物質的な世界──そこには政治の場で噴出するような、人間の無意識の欲望や感情も含まれます──が、「自分たちのことを分かったつもりになるなよ!」と様々な形で訴えている、というのです。

  このような説明は、一定程度は正しいかもしれません。認識と存在はたしかにイコールではないのですから。しかしそれだけで終わってしまうと、あの繰り返し聞かされた「想定外」というお粗末な言い訳を正当化することにもつながってしまいます。つまり、「物質の世界のことは、しょせん、わからない。だから私たちには責任はありません」と、責任を回避しようとする人たちの使う言い分に力を貸してしまうことになりかねないのです。

 原発の事故にしても、あのような事態が起こり得るかどうかという点で言えば、事前に想定は存在していました。ただ、原発の推進派とその言い分を受け入れてきた人々は、それが現実には生じないよう、確率論を持ち出して「祈って」いたに過ぎません。

 この際、自然界の認識についてよく考え直してみる必要があります。実のところ私たちは、「想定外」の事実に取り囲まれてなど、いないのではないでしょうか。常に自分たちを取り囲む現実が過酷であるということは、人類にとって十分既知のことだからです。したがって私たちは、こう問うてみる必要があります──おおもとの原因やメカニズムにまで遡ることも可能であり、それに基づいた対応をする選択肢もあったのに、そうした作業を途中でやめさせてしまうある種のバイアス(偏った考えを強いる力)の支配下に自分たちがおかれているのではないか、と。
 
  そのバイアスは、ある時には、巨額の利権をばらまきマスコミをも左右する、巨大な資本の論理かもしれません。またある時には、自分に都合のよいことしか信じない希望的観測という知的怠慢かもしれません。“エライ人”が言っていることは正しいだろうという素朴な信仰である可能性もあります。私たちの生活が、常に様々な危機や亀裂、あるいは未知の可能性に深く貫かれていることを、これらのバイアスは覆い隠してしまうのです。

ちなみに冒頭に挙げたリスボン大地震の日は、カトリックの祭日である「万聖節」だったため、命を落とした人々の何割かは、教会で祈りを捧げている最中だったといいます。“敬虔な人々が必ずしも救われるわけではない”というこの事実は、それまでの民衆が抱いていたナイーブな世界観を打ち砕き、カントやルソーといった思想家らの考えを一新して、後世に大きな影響を及ぼしました。

私たちはいま、冒頭に挙げたような出来事のあとで、これまでの常識のヴェールを取り払い、どのように認識を転換するよう迫られているのでしょうか。

光速という“定数”にすら疑問符がつく時代です。吟味して出されたその答えしだいでは、この国や世界の未来が、また大きく変わるきっかけになるかもしれません。
   
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2011年11月2日(水曜日)

東日本大震災とチェーンメール
カテゴリー: - hougaku @ 14時52分36秒

  <鈴木 みゆき 先生(担当科目:心理学、教育心理学、教育相談ほか)>

  「知り合いのお医者さんからの情報。海草食品を毎日食べないと、放射能が体に大量に蓄積されてしまう。このメールを皆に転送して!」「工場に勤務している人からの情報。石油コンビナートの爆発により有害物質が雨と一緒にふってくる。雨に濡れないように気をつけるよう、多くの人に知らせて!」 これらは、3月11日の東日本大震災が発生した後にメールやインターネットで流れたものです(朝日新聞,2011.7.30.)。皆さんの中には、このようなメールを受け取った人もいるでしょう。また、「念のために」「親切心から」他者に情報を伝えてしまった人も多いのではないでしょうか。送り手が何らかの意図を実現するために流された真実ではない情報をデマといいます。それでは、なぜデマは広がってしまったのでしょうか。これらのメールの共通点から考えてみましょう。共通点の一つ目は、「お医者さんからの情報」「工場に勤務している人からの情報」といったように、情報の信憑性を高めていることです。二つ目は、これらの情報が人々の不安をかき立てる内容になっていることです。三つ目は、これらのデマが、東日本大震災という状況の中で流されたことです。人々が不安を感じやすい状況であると同時に、事態を説明する情報が不足している「あいまいな」状況であったと言えるでしょう。デマの伝達には、信用度と不安とあいまいさが強く関連しています。これらが高いとき、デマは広がりやすいといえるでしょう。。
   
   鈴木 みゆき 先生のプロフィールはこちら


2011年10月9日(日曜日)

もしも警察官が人気のない職業だったら
カテゴリー: - hougaku @ 08時38分46秒

  <鳥澤 円 先生(担当科目:法哲学、法思想史、「法の基礎」徳論ほか)>

  法学部の学生の中には、警察官を志望する人もいます。警察官は大変やりがいのある職業ですが、現在の日本ではもっとも危険な職業の一つだと言って過言ではないでしょう。
AFP通信の先月の記事によれば、メキシコのある町の警察署で、警察官26人全員が辞職しました。きっかけは、同署の警察官2人が襲撃され死亡した事件です。同国では数年前にも、別の町で警察官が全員辞職したことがあったそうです。警察というのは一定条件下での暴力行使を許された合法的組織ですが、在野の暴力組織が強大になり警察に拮抗するほどになれば、同じことは日本でも起こりえます。
もし警察官を志望する人がいなくなったら、どうなるでしょう?犯罪行為が野放しになってしまいますから、立法機関が正常に機能していれば、おそらく解決策として徴兵制と類似の制度、つまり、一定年齢に達した健康な国民が一定期間警察官として働くことを義務づける制度が作られるでしょう。これは危険な労働を国民の間で広く平等に負担する制度ですから、ある意味公平です。しかしその一方で、意欲の問題、適性の問題、スキルアップの問題、良心の自由の問題等が生じます。形の上では警察官を確保しても、その人たちが誠実に職務に従わなかったら、いくら素晴らしい刑事法があっても絵に描いた餅になってしまいます。
こう考えてみると、法秩序とは、これを支える職業に自発的に就こうとする人が一定数以上いて、初めて成り立つものです。法体系の正統性と正当性を仮定すれば、現代日本の法秩序がある程度成り立っているのは幸運なことだと言えます。法秩序というのは、私たちが考えているよりももろいものなのかもしれません。
   
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2011年10月1日(土曜日)

公立高校授業料を巡る「お金」と「人権」について
カテゴリー: - hougaku @ 08時35分36秒

  <藤田潤一郎 先生(担当科目:政治学入門、政治思想史ほか)>

  この文章を読んでいる人の中には、「公立(都道府県立・市町村立)高校授業料の実質無償化」という、民主党政権の中心的政策の適用対象となっている高校生がいるかもしれません。では、公立高校の授業料を無償化するということは、誰が授業料分を負担しているのでしょうか?実は、都道府県でなく国なのです。ところで、現在の野田政権は、野党との協力を模索するなかで、公立高校授業料無償化の政策を変更することを視野に収めています。それには、国の財政赤字が深刻であるという背景があります。
 とはいえ、そもそも先進国(特に西ヨーロッパ諸国)の多くでは、公立高校の授業料は無償化されています。しかし日本政府は、1979年に批准した「国際人権規約」の中にある、「高校などの中等教育は無償教育の導入によってすべての人に機会が与えられるものとすること」という条項を自国に適用しないこと(これを「留保」と言います)を表明しています。
 このように、公立高校の授業料無償化は、単に民主党の政策というだけでなく、日本の財政さらには人権にも関係する重要なテーマなのです。法学部での学びは、簡単に答えが見つからない物事を幅広い視野から考える力を養うことに魅力があるといえるでしょう。

 藤田 潤一郎  先生のプロフィールはこちら

 


2011年9月26日(月曜日)

誰か日本を想わざる
カテゴリー: - hougaku @ 14時20分05秒

  <福山 達夫(担当科目:民事訴訟法、倒産法ほか)>

  国民主権主義の世界で、それを支えていくためには国民全体で支えていく必要がある。産油国の中には石油で国が潤うので、国民に税金を課す必要がないところもあると聞く。しかし、それは例外であって、大多数の国は国民に税金を課さざるを得ないのである。日本の場合、現実には国の経済状況が思わしくないことから、税金だけではやっていけなくなっている。しかも、こういうことが長年続いているのだ。様々な出費に見合う収入がないのである。足りない出費の大部分を政府は、国民から借金をしてどうにか切り抜けているのだ。しかも、その総額は年とともに増える一方で「国債」が天文学的な数字になっているのは、誰もが知っての通りである。今のところ、我が国民の高い貯蓄率のお陰で、どうにか切り抜けている。しかし、いつまでもこのやりかたを続けていける訳ではない。あと7年もつか否かのギリギリのところにきている。つまり、遣り方を間違えば、国民に取り返しのつかない「激痛」を与えることになるのは、判りきっているのである。もう、世界の中でも、図抜けた「借金大国」となってしまった。「赤字国債」は結局のところ税収で賄うほか解決策はなく、結局は国民に増税という形でのしかかってくるのである。さもなければ戦後に経験した円の切り下げしか、方法論的に途は残されていないのである。  

 福山 達夫  先生のプロフィールはこちら

 


2011年9月7日(水曜日)

内閣の交代―菅内閣から野田“どぜう”内閣へ―
カテゴリー: - hougaku @ 08時58分54秒

  <糠塚 康江(担当科目:憲法、憲法(統治の機構)ほか)>

  6月2日に菅前総理大臣が「退陣」をほのめかして以来様々に取り沙汰されてきましたが、菅前首相の掲げた退陣条件が整ったことから、8月30日午前に菅内閣が総辞職しました。それに先立つ8月29日の民主党代表選で野田佳彦氏が新代表に選出され、8月30日午後に国会で新内閣総理大臣に指名されました。野田氏は党の役員人事を行った後、組閣人事に着手しましたが、新内閣が発足したのは9月2日になってからです。このタイムラグをどうみたらよいのでしょうか。
 憲法が内閣総辞職の事由としているのは、衆議院で内閣不信任が議決されるか、信任の決議案が否決された場合(69条)、内閣総理大臣が欠けた場合、衆議院議員総選挙後にはじめて国会が召集された場合(70条)です。そのほか、内閣は任意に総辞職することが可能です。菅内閣は「任意に」総辞職したことになります。辞表提出の旨は両議院に通知され(国会法64条)、「他のすべての案件に先立って」国会議員の中から国会の議決で内閣総理大臣が指名されます(憲法67条1項)。指名された者が正式に内閣総理大臣になるためには、天皇によって「任命」されなければなりません(同6条1項)。天皇の国事に関するすべての行為には内閣の助言と承認が必要なので(同3条)、この「任命」行為には「内閣の助言と承認」がなければなりません。ここまでが、菅内閣の仕事です。菅氏が野田総理大臣の親任式に登場したのはこの理由によります。この時点で野田内閣が正式に発足し、野田新総理大臣が閣僚の認証式に立ち会いました。憲法はこのことを予定していて、前内閣が「新たな内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ」(71条)と定めています。
総辞職後、憲法71条にもとづく「職務執行内閣」として菅内閣が存続したので、内閣の空白期間はありません。結果、菅内閣は452日間存続し、小泉内閣以降の5つの内閣のうち、いちばん長く存続したことになりました。ただし、菅内閣の公式文書上の職務権限存続期間は、総辞職の日付である8月30日までです。
マニフェスト選挙による政権交代を政権の正統性の根拠としている民主党の立場からすれば、2009年選挙時のマニフェストに大きな「修正」が加わる事態が生じていることから、「政権」のたらい回しは許されるのかどうか、問われなければならないところかもしれません。あるいは大震災・原発事故という「危機」の中にあって、優先順位が変わったのだという意見もあるかもしれません。この問題は、早晩めぐってくる選挙の際に国民一人ひとりが答えを出さなければならない宿題になると思われます。  

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2011年9月2日(金曜日)

3.11大災害と日本のリセット
カテゴリー: - hougaku @ 08時30分00秒

  <小林 孝一(担当科目:事故・災害と法政策、民事紛争解決と法政策ほか)>

  9.11のジェット機テロは、アメリカの中心部を爆発崩壊させ、激越した大掛かりな反攻と共に、10年後の今も世界的に大きな影響を及ぼしています。他方、日本の3.11大災害と放射能事故も、多数の被災者の生命・財産・生活に甚大な損害を与え、いまだに終息していません。9.11テロ同様、日本と世界の政治・経済に多大な影響を及ぼしています。 私自身、中学高校を仙台で過ごしており、3.11以降、同窓生間に大量のメールが飛び交い、県政、医師会、弁護士会、土木業界等で、支援活動・復興活動の中で奮闘している状況が報告されています。 例えば7年前にスマトラ沖でM9超の大地震が起き、大津波がインド洋沿岸に甚大な被害をもたらしたとき、防災担当者・原発関係者・関係官庁は、どのような検討を行ったのか、どのような対処が可能だったのかなど、緊急に再点検しなければなりません。まだ東海地方等の大地震が控えているのですから。また、重要な原子力損害賠償法の規定自体が、「異常に巨大な天災地変」による事故の場合の事業者免責、国の援助など、異常に分かりにくくなっており、この問題の奥深さ、国会(議員)の問題点を物語っています。 
 このように3.11大災害は、日本のあらゆる活動に対して、総点検と再設定を求めているのです。  

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2011年8月30日(火曜日)

[無題]
カテゴリー: - hougaku @ 08時29分41秒

2007年度卒業生 宮田 里絵(みやた りえ)さん (第14期卒業生)

 ○まずは自己紹介からお願いします―――

  2007年度卒業の宮田里絵です。現在、静岡県警の警察行政職員として仕事しています。

 

○具体的なお仕事の内容は何ですか?―――
 運転免許証の更新事務などを行っています。主に窓口での受付業務を行っています。

○その職業を目指した経緯をお聞かせください。―――
  中学生の頃から警察組織で働きたいと思っていて、大学在学中に、県警について調べ、この職種を選びました。

○就職して良かったこと、大変だったことをお聞かせください。―――
  様々な考え方を持った多くの人と関わることができ、自分の世界が広がり、就職して良かったと思います。

○今後の目標をお聞かせください。―――
  部署によって、仕事の内容が大きく変わってくるので、どんな仕事内容でも、そつなくこなせるオールマイティーな職員になりたいです。

○在学中、お世話になった方などはいますか?。―――
  ゼミの吉田先生とキャリアセンターの皆様にお世話になりました。吉田先生のゼミに入っていたことで、大学生活を充実させることができました。キャリアセンターの皆様には、就職先が決まるまでいろいろと相談にのってもらいました。

恩師 吉田仁美先生と一緒に!(研究室にて)

 ○最後に、在校生にメッセージをお願いします。―――
  現在静岡県警察リクルーターとして、活動をしています。静岡県警で共に働く仲間をお待ちしています。


2011年8月23日(火曜日)

南スーダン〜193番目の加盟国と国家の数について
カテゴリー: - hougaku @ 08時30分08秒

  <高瀬 幹雄(担当科目:国際関係論、国際機構論ほか)>

  7月9日、南スーダンがアフリカ54番目の新「国家」として分離独立しました。
この独立は、国民投票の結果決まりましたが、依然、多くの難題が存在しています。ここでは詳しく触れませんが、アラブとアフリカ、イスラム教とキリスト教、新米と反米、資源を巡る対立といった国内ばかりでなく、関心を抱く中国の積極的関与などの国際的な思惑も交錯しています。同国は早速、国連193番目の新加盟国になりました。新加盟は5年ぶりです。 
 ところで、世界には国家がいくつ存在するでしょうか? それには「国家」の意味を考えなければなりません。少なくとも193カ国ではありませんね。国連の加盟国を世界の国家の数とするには、二重の意味で間違っています。第一に国際連合に総ての国が加盟しているわけではありません。第二に国連の加盟国は、総ての国から認められている訳ではありません。これには、「国家承認」手続きが絡みます。自分で調べてみませんか? 
 ヒントは、「未承認、非承認国家という言い方は、相対的なもので、客観的な「国家」はない」ということです。  

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2011年8月12日(金曜日)

地デジ化の影で
カテゴリー: - hougaku @ 08時30分00秒

  <土浪 博(担当科目:世界史(課題と方法)、世界史(テーマ研究)、初級ドイツ語、中級ドイツ語ほかほか)>

 1年以上にわたる最後の地デジ化騒ぎもようやく一段落した。アナログ放送終了まであと〜といった世界の終末を予告するかのようなテレビ画面のノイズは、まだアナログでテレビを見ていた私にはある種の暴力のようにみえた。アンテナ環境さえ整えれば数千円の機器の購入で地デジへの最低限の移行は可能なのに、大型テレビへの買いかえがすすんだ。まだ使えるものを捨てて新しいものを購入するというのは消費社会=「豊かな」社会の特権であろう。しかし、中古車市場と比べると、再生/再利用ルートがよくみえない携帯電話やテレビ(実はその陰でレコーダーも)の葬られ方には、エネルギー問題とは別の意味で未来への不安を感じる。これを消費の活性化という面だけで歓迎してよいのだろうか。
 某テレビ局の地デジ化推進キャンペーン番組をみて、大型テレビは視力の弱い人々にとって救いとなりうるという点に期待を持てそうだと思った。ところが、従来より小さい文字が表示可能になったためなのか、小さなテレビや旧品質のテレビで見ている人には文字情報がよめない/読みにくいという事態が生じている。要するにでっかいテレビを買え!ということのようだ。              

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2011年8月2日(火曜日)

1998年度卒業生 吉永 秀之(よしなが ひでゆき)さん(第5期卒業生)
カテゴリー: - hougaku @ 15時03分13秒

1998年度卒業生 吉永 秀之(よしなが ひでゆき)さん (第5期卒業生)

○まずは、自己紹介からお願いします。―――
1998年度卒業生の吉永秀之と申します。
現在は(株)サッポロビールグループ 銀座ライオン 金沢駅店の支配人として外食産業で勤務しています。

具体的なお仕事の内容は何ですか?―――
 入社から6つの店で店長などを経験し、現在は統括する支配人です。全国200店舗の内の一つの店を任されています。具体的には売上、人事、メニュー、などのマネジメントが主な仕事です。「なにかあったら責任とれよ(笑)」と言われる管理職の立場です。

○この業種を目指した経緯をお聞かせください。―――
  大学時代の学生自治会で培ったリーダーシップや、校訓の「人になれ奉仕せよ」の精神が根付き、また人と接するのが好きということもありサービス業を目指していました。現在の会社は自由で裁量権があり、人の魅力に溢れ、一生懸命になれる仕事ですので、入社12年一筋になってしまいました。

○就職して良かったこと、大変だったことをお聞かせください。―――
 よかったことは、キャリアアップをすると裁量、権限が増えること。また数多くの人に出会い自分が成長出来たことです。その反対で全国チェーンということもあり、転勤が大変です。見知らぬ土地での仕事や、人間関係、スタッフの数も30名〜200名、またお店の規模も30席〜600席まで様々で、慣れるのには苦労しました。

○今後の目標をお聞かせください。―――
 チャレンジし続け、エリアマネージャー、事業部長など、貪欲なキャリアアップを目指すことです。
 
○在学中、お世話になった方などはいますか?。―――
 土浪先生です。ドイツ語の授業は大変興味深く、先生の熱心な姿勢に感銘を受けました。また私が所属していた学生自治会の行事でも、オーバーナイトハイクに参加してくれたり、クリスマスパーティでバンド演奏をしてくれたりと、授業以外でも大変お世話になりました。当時は先生も若く(笑)、兄貴分のような存在、公私で相談にものってもらいました。また学生課の宮崎さん、松本さん、大西さんなど教員以外の方々にもお世話になりました。

 ○最後に、在校生にメッセージをお願いします。―――
 どんな会社に就職しても、そこで自分の存在感が非常に大事になってきます。存在感が確立出来ていないと本当に面白い仕事は出来ないと思います。
4年間で学業だけでなく、課外活動でも自分の存在感を高める努力をしてください。厳しい就職活動も必ず良い方向に開けると確信しています。色々なことにチャレンジすること、それが出来る環境が関東学院大学法学部にはあります。また私は学生自治会に所属していましたが、今でもそのメンバーと交流があります。利害のない学生時代の友人は一生の宝だと思います、そのような宝をより多く手に入れられるような学生生活も送ってほしいとも思います。


               


2011年8月1日(月曜日)

親権停止制度と児童虐待
カテゴリー: - hougaku @ 12時21分04秒

  <徳永 江利子(担当科目:民法家族法、家族関係と法政策、専門独書購読ほか)>

 先日、親権の一時停止制度を導入する民法改正案が成立しました(朝日新聞2011年5月27日など参照)。親権とは、親が未成年の子供を養育する際の権利義務の総称です。児童虐待は、この親権が濫用された場面と考えられます。
 これまで子供を保護する際に親権を制限する制度は、直接定められているものとしては、親権を剥奪する親権喪失制度しかありませんでした。ところが親権を喪失させてしまうと、今度は親子関係が断絶して、親子の再統合が難しくなってしまいます。たとえ虐待があっても、周囲の支援によってなるべく親子関係を修復し、傷ついた親子を再統合させることが必要です。そこで子供を適切に保護しつつ、親子関係を断絶させないよう、親権喪失の前段階となる親権停止制度が導入されました。今回の改正では、親権を最長で2年間停止できます。
 しかし、まだ課題は山積みです。例えば、親権を停止された親の支援は誰がするのでしょうか?子供の養育を支援する体制がなければ、親はまた虐待を繰り返してしまいます。また、児童相談所は慢性的な人手不足で、新たな制度を生かせる人材が足りません。
 このように、親権停止制度が実際に機能するかどうかは未知数です。児童虐待への対応は、様々な面から考えなければなりません。  

                           

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2011年7月11日(月曜日)

震災後の留学生数について
カテゴリー: - hougaku @ 15時23分17秒

  <熊澤 孝昭(担当科目:英語、キャリア・イングリッシュ、コミュニケーション英語ほか)>

 日本経済新聞(6月30日付け)によると東日本大震災と原発事故の影響で日本語を学びに留学する特に中国人と韓国人が減少するのではと報じた。また、現にとある日本語学校では入学者が約4割減ったとの報告もあった。しかし、ある中国メディアによると中国人留学生の帰国は想像以上に少なく震災後に日本人が示した秩序、団結、不屈の精神がより多くの中国人を魅了し帰国を思いとどまらせたのではと報じている。 毎日新聞(6月15日付け)によると就職氷河期の中、就職活動が早まり日本人大学生の内向き傾向にさらに拍車をかけているとある。たしかに早めに就職活動をしなくてはというのはわかる。しかし、一旦就職すると海外へ行く機会などはさほどないと思う。留学するというのも大学生活を充実させ未来につなげる糧となるであろう。ぜひ、外国の文化を留学を通して吸収するとともに日本人の精神を外国人に伝えてほしい。  

                           

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2011年6月18日(土曜日)

「消滅の危機にさらされている言語」
カテゴリー: - hougaku @ 08時01分06秒

  <串田 美保子(担当科目:英語、メディア英語、社会言語学、言語政策ほか)>

 今年初め頃の新聞記事「八丈語 子へ孫へ継ぐ」(朝日新聞、2011年1月29日)によると、東京の八丈島に残る方言「八丈語」が2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査で「消滅の危機にさらされている言語」と指摘されたのをきっかけに、島ではこの「八丈語」を若い世代に受け継ぐための取り組みが本格化している、ということでした。
 ユネスコによれば、この八丈語と同様に世界には約2500もの言語が消滅の危機に瀕しているとのことです。日本語のように広く話されている言語のなかでも、「アイヌ語」、沖縄の「八重山語」「与那国語」、奄美大島の「奄美語」など遠隔地で話されている方言は独立した言語として、程度の差はあれ、危機言語として取り上げられたのです。
 消滅の理由は2つあって、もともと文字を持たない言語はこの急激にコンピューター化していく今の世の中で実際にコンピューター上に載せられないまま徐々に消えていく、ということ、もう一つは、例えば英語のように、世界で人気のある言語を身につけたほうが自分の母語を身につけるよりも将来役に立つと思い込んで、自分の母語を積極的に学ぼうとしないまま大人になっていく子供が世界中でますます増えてきている、ということです。
 日本でも今年から英語が小学校から取り入れられ始めましたが、この2つ目の状況に決して陥らないように気をつけていないと、30年後、50年後には日本語自体が消滅の危機にさらされているかもしれません。 

                           

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2011年6月3日(金曜日)

「震災と地方自治」
カテゴリー: - hougaku @ 08時30分00秒

  <出石 稔(担当科目:地方自治法、地方自治政策論ほか)>

 日本大震災でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方に心よりお見舞い申し上げます。 大型連休中の5月5・6日に、災害時に地方自治の立場から何ができるかを考えるため、他大学の地方自治の研究者と被災地の宮城県・岩手県沿岸部に赴きました。現地で大津波の影響や避難所での生活を目の当たりにし、言葉もありません。特に、役場の状況(写真)を見てきましたが、どこも廃墟の様相を呈し、さらに多くの職員が亡くなり、自治体の事務執行が滞ってしまうことは容易に想像できます。このような状況では、市町村職員は避難所などの現場対応に追われ、復旧・復興に向けた腰を据えた取組はまだまだ難しいのではないかと感じました。 しかし、震災復興に向け、今後力強い対応が求められます。国は政争に追われるなど、その機能を果たしているとは言い難い状況ですが、被災地では復興の槌音が徐々に大きくなりつつあります。この取組を進めることができるのは、やはり自治体でしかありません。現地を訪れ、このことを強く認識するとともに、地方自治・政策法務が役立つためのヒントを少しだけ得たように思います。漠然とした思いで、具体的な提案にはまだまだ及びませんが、「非常時(災害対策時・復旧期・復興期)のあり方」、「復旧・復興期の国・県・市町村の役割」、「震災時の地方分権(平常に戻るまでの対応)」、「有事と平時における分権の意義」、「被災地の政策法務」、「被災地支援の政策法務」、「法務支援体制の整備」など、私のライフワークの一つとして、今後の研究と実践に生かしていきたい。 

                           

南三陸町防災庁舎

大槌町役場入口

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2011年5月13日(金曜日)

「被災者への募金・寄付と社会保障制度の所得再分配機能」
カテゴリー: - hougaku @ 08時08分54秒

  <大原 利夫(担当科目:社会保障、社会保障と法政策ほか)>

 現在、日本において自己と他者とのつながりが、かつてないほどに意識されるようになりました。被災者への多額の募金や寄付が話題にのぼることもあります。
 実は、募金や寄付というかたちではありませんが、社会保障制度を通じて、募金や寄付に似たような金銭の移動が起きています。すなわち、救貧制度などの社会保障制度は、税金と保険料でまかなわれていますが、一般に高所得者は多額の税金と保険料を支払い、他方、低所得者が支払う税金と保険料は低額です。しかし、社会保障制度において低所得者は多額の給付を受給するのに対して、高所得者は給付を受給しない場合もあります。このように高所得者は多額の税金と保険料を支払っており、結果として、その金銭は社会保障制度を通して低所得者に給付というかたちで流れています。社会の中で生み出された富を所得というかたちで一度分配し、その後、高所得者から所得の一部を税金や社会保険料として集め、低所得者に再度分配しているようにも考えられることから、こうした機能を社会保障制度の所得再分配機能と呼んでいます。
 社会保障制度は、低所得者に対して高所得者が支援する制度でもあるのです。

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2011年5月8日(日曜日)

プライバシーがなくなる?
カテゴリー: - hougaku @ 08時14分51秒

  <阿部 徳幸 先生(担当科目:税法、税制と法政策ほか)>

 東日本大震災により、被害を受けた皆様には心よりお見舞い申し上げます。毎日のように余震が続き、原発問題が収束しない今、復興という言葉はまだまだ先のことのように思われてなりません。
 このような状況の下、政府は復興財源として期間を限定してではありますが、消費税の増税をほのめかしています。消費税はすべての人が負担するものであり、ここには当然に被災された方々も含まれます。被災された方々にもさらなる負担を求めるとはいかがなものでしょうか?しかし、これを回避することは技術的に可能であると政府はいいます。これが従来から民主党が推進しようとしている「給付付き税額控除(消費税逆進性対策税額控除)」です。
 消費税制は、すべての人に5%の負担を求める制度です。これは同じ5%ということから、低所得者には厳しく、その分高所得者には優しい制度となっています。これを消費税制における「逆進性」といいます。この逆進性を緩和するために、一定の低所得者に「手当て」を給付しようというのが、この「消費税逆進性対策税額控除」です。そしてこの制度を現実のものとするためには、消費家計調査が必要となります。誰が、どのようなものを、いくらで消費しているのか、厳密な調査が必要です。そのためにも導入するのが、「社会保障と税の共通番号制度」です。皆さんが買い物をする際、レジにてこの番号を提示する。いつ、だれが、何を、どこで、いくらで買ったのか、売ったのか、この番号を通じてすべて国税庁が把握するということになります。この番号制度については、セキュリティ問題ばかりがクローズアップされていますが、プライバシー問題は置き去りにされています。これと似た制度は、韓国において既に導入されていますが、08年に導入したイギリスでは人権侵害を理由に10年をもって廃止、ドイツでは憲法違反の判断が下されています。
 政府は、この制度導入法案を今年の国会に提出することとしています。
 我々のプライバシーは、どうなってしまうのでしょうか?

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2011年3月31日(木曜日)

大震災と悪質商法
カテゴリー: - hougaku @ 17時51分52秒

  <鈴木 恵 先生(担当科目:民事法入門、民法総則、民法総合ほか)>

 東北地方太平洋沖地震。あまりの惨状に言葉もありません。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を、と願わずにいられません。
 
 このコーナーのテーマは「先生が斬る」です。けれどもこの震災を斬る力など私にはありません。ただ震災に伴って発生するある種のトラブルについて、一人でも多くの方に知って頂ければと思います。
実は震災直後に、建築関連の契約をめぐるトラブルが増えるのです。
「瓦がずれています、今すぐ直さないと大変なことになりますよ。」
「家屋の耐震診断に来ました。これは大変だ、すぐ補強しないと。」
「今うちと契約すれば公的補助が受けられます。」
といった言葉で、工事の契約をさせてしまうのです。本当にそうなのか、それとも契約させるための詐欺的商法なのかわからないケースも多く、トラブルが多く発生します。点検と称して外観をざっと眺めただけで高額な点検料を請求するようなケースもあります。建物関係以外でも、震災後には、義捐金詐欺や、ボランティアや公的機関職員をかたって手伝いをした後に法外な代金を請求するケースさえあります。日本中、世界中から善意が寄せられる中で、なんでそんなことを、と思うと腹立たしいというだけでは済まない思いです。
 震災を機に耐震補強等を考えるのは当然のことです。まして被災された方の中には家屋等の修理や補強の必要に迫られている方がたくさんいらっしゃいます。そしてそのニーズをカバーするために、多くの事業者が懸命に活動しています。しかしその中に悪質な業者も隠れているのです。どうしたらトラブルを防げるのでしょう。まずはこういったことがあることを一人でも多くの方に知って頂くこと、そして冷静に対応していただくことだと思います。強引な勧誘に対してその場で契約をしない、複数の業者から見積もりを取る、信頼できる機関から来ているか確認をとる、公的補助が受けられるか自分で確認するなど、冷静に対処することである程度問題を回避できます。
 もしもおかしいと感じたら、各地の消費生活センター等に相談することができます。被害にあった場合だけでなく、被害にあいそうな時も相談可能です。被災地では消費生活センターが機能していない場合もあるため、3月31日現在、岩手県、宮城県、福島県の方のために、国民生活センターに「震災に関連する悪質商法110番」が設置されています。
 
 未曽有の災害に見舞われた方々が、悪質商法でさらに追い打ちをかけられるようなことのないよう、心から願わずにいられません。

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2011年3月8日(火曜日)

2005年度卒業生 小笠原 佑介(おがさわら ゆうすけ)さん 
カテゴリー: - hougaku @ 10時30分05秒

2005年度卒業生 小笠原 佑介(おがさわら ゆうすけ)さん (第12期卒業生)

○まずは、自己紹介からお願いします。―――
 2005年度卒業の小笠原佑介です。 今年の4月から青森県職員(行政)ととして働く予定です。

具体的なお仕事の内容は何ですか?―――
 上級行政職です。配属部署が確定していないので、仕事の内容はまだわかりませんが、希望としては少子高齢化問題と密接に関わりのある社会福祉系の仕事をしたいという思いがあります。

○この業種を目指した経緯をお聞かせください。―――
 卒業後は、IT系企業でシステムエンジニア、その2年後には小学校教師として臨時任用教員を努めていました。
 しかし、次第にふるさとへ対する思いが強くなり、地元出身者として少しでも青森を活性化させたいと思い立ち、意を決して公務員試験を受けることに決めました。
 

○就職して良かったこと、大変だったことをお聞かせください。―――
 就職して良かったことは、仕事管理能力が上達したことです。複数のプロジェクトに携わっている場合、
自分の今抱えている仕事の優先順位や、進捗具合、どのくらいの作業量で何日かかるのかなど、自分の能力に照らし合わせて考える必要がありました。自分を客観視し、的確にスケジュールを立てることができるようになりました。
 就職して大変だったことは、非常に苦手な先輩と一緒にチームを組んで仕事をしたときです。
 その際、考え方が違いすぎて納得のいかないまま作業を進めていた期間がありました。しかし、そのままでは組織の為にも自分の為にもプラスにならないと思い直し、取り組み方を変えました。それは、先輩の考え方を尊重すること、そして疑問を感じたらすぐに質問し納得した上で作業することでした。その結果、先輩との呼吸も合うようになり、作業の進み方も格段に向上しました。大変でしたが、現場でのコミュニケーションの大切さを実感しました。
  

○今後の目標をお聞かせください。―――
 役所は部署をまたいだ移動が多いと思います。従って、どの仕事を任されたとしてもしっかりとこなせるようなスペシャリストを目指したいと思っています。
 そして、民間での経験、例えば費用対効果や作業効率を意識する姿勢を、行政の現場に少しでも活かしていけたらと思っています。

○在学中、お世話になった方などはいますか?。―――
 憲法ゼミナールの吉田仁美先生です。国民の大原則といえる憲法は、私たちが日本国民と して生きていく上での道しるべとなるものです。その憲法を議論や研究を通じて思う存分学習できたことは、私にとってこれから職業人として生きていく為の肥やしとなりました。
 また時には厳しく、時 には温かく接してくださる吉田先生は非常に信頼できる存在でありましたし、卒業後の進路についても親身に相談にのっていただき、大変感謝しています。
 さらに、ゼミナールで学んだ憲法の知識は、公務員試験の勉強にも非常に役立ちました。

 ○最後に、在校生にメッセージをお願いします。―――
 卒業後の進路は確かに非常に大切です。ただ、その出だしでその後の人生がすべて決まるというものではないと思っています。
 私のように紆余曲折を経て、最終的な進路を見つけるというケースもあるかと思います。
 とにもかくにもまず言える事は、しっかりと自分を見つめ、自分の選んだ道を信じて精一杯取り組んでみるということ。
 その上で、次の行動を考えてみてもいいのではないかと考えています。
 とはいえ、超がつくほどの就職難の時代ですから、十分な自己分析と前向きな姿勢で気を抜かずに就職活動に取り組んでいってほしいと思います。
 そして、悔いの残らない選択ができるように頑張ってください。大学OBとして応援しています。


ゼミナールでお世話になった吉田仁美先生と一緒に。
ゼミの恩師に会いに、久しぶりに大学を訪れたそうです!
ゼミ仲間の林良江さんも一緒に。 ← あの人はNow!にて紹介する予定です。
 
                 


2011年3月4日(金曜日)

「奢(おご)れるものは久しからず 中東民主化の轍(わだち)」
カテゴリー: - hougaku @ 08時55分00秒

  <中川 政直 先生(担当科目:経済法、国際取引法ほか)>

  中東で民主化の波が沸き立っている。十数年以上続いた長期政権が次々と打ち倒されている。
中東は思いの外豊である。一人当たりGDP(国内総生産)は、2009年で、チュニジア4170ドルでタイや中国を上回り、エジプト2450ドルでインドネシアと同水準、バーレーンは1万9817ドルで韓国、台湾をしのぐ。一番貧しいイェーメンですら、1060ドルでインドより上である。
中東の人々は豊かさの程度ではなく、分配の不公平さを問題にしている。例えば、エジプトのムバラク大統領は、在任期間30数年間で5兆円もの個人資産をため込んだと伝えられている。国民に公平な分配をしてこなかった長期政権が次々と崩壊させられている。
 中東の民主化の動きは、中国にも飛び火する動きが伝えられている。現体制は、日本を抜いて世界第2位の経済大国に押し上げた実績があり、人々はその恩恵を受けているから、
根本から揺らぐおそれは現状では見られないとも報じられている。しかし、経済大国化の恩恵を受けられない労働者、農民の不満は確実に高まっている。押さえれば押さえるほど、
その不満の圧力は高まる。押さえるだけでは、その不満はさらに激しくなる。
中国指導部が、短期的には労働者、農民への分配を拡大する政策を採り、長期的には国民の不満を平和裡に解消する制度を備えた民主主義国家へ脱皮することが切望される。

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2011年2月9日(水曜日)

「検察腐敗の深層構造」
カテゴリー: - hougaku @ 08時45分54秒

 

  <宮本 弘典 先生(担当科目:刑法総論、社会的安全の法政策、専門独書購読ほか)>

 政界や財界の不正を摘発し、「巨悪」を眠らせない「正義の集団」としての検察特捜部の威信は、厚生労働省局長(当事)の村木さんに対する郵便不正利用事件で一気に地に堕ちました。事件の「見立て」(ストーリー)に沿った(虚偽)自白を強要する強引な捜査手法は固より、今回は証拠の改竄も明らかになりました。もっとも、専門家はこうした事態にとくに驚いているとは思えません。「検察の真相の一端がようやく明るみに出た」というのが大方の感想だと思います。
 この事件を契機に、特捜部の廃止を主張する声が噴出し、検察のあり方を検討する専門家会議も発足しました。しかし、問題の真相・深層は日本の刑事司法が非常時としての戦時体制化の刑事司法を温存していることにあるのです。以下にその問題点のみを簡潔に掲げておきましょう。
  起訴するかどうかを決定する権限を独占する検察官が、同時に被疑者を逮捕し、取調べるという強制処分権限を持っていること。これでは、被疑者・被告人の充分な抗弁権が保障されるわけがありません。
  警察での取調べと同じく、検察の取調べに対しても被疑者はそれを拒否する権利が認められておらず、また弁護人の立会いも保障されていません。国際的に見て非常に長い身柄拘束期間の間に、保釈と交換条件に(虚偽)自白が強要される状況があるのです。
  小沢氏に対する強制起訴が話題になっていますが、検察審査会は不起訴に関してその当否を審議するものであって、起訴の当否を審議するものではありません。裁判所が検察官の起訴の当否を判断すべきなのでしょうが、現実には検察官の起訴権限を抑制する制度は皆無です。
  強制処分によって検察官が集めた証拠には、被告人に有利な証拠も含まれることがありますが、すべての証拠を裁判所に提出する義務はありません。したがって、被告人に有利な証拠が隠されたまま、裁判が進められることもあります。
 問題はこれだけに止まらず、日本の検察官の権限は国際的に見ても実に強大です。その権限強化が図られたのは、とりわけ1941年の太平洋戦争の開戦以降のことです。そうした戦時刑事司法における検察官の権限が、現在もなお認められていること、そこに検察腐敗の真の病巣を見るべきだと思うのです。

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